- 人前で話すのに過度に緊張が止まらない
- 公共交通機関に乗るのが怖い
- 人の視線が気になりストレスをため込む
就労移行支援ひらくでは
不安障害等をお持ちの方は多く在籍されていました。
自身の特性を聞くと、それぞれ個々で異なりましたが
困り感をお抱えになっているところはすごく感じました。
そこで
不安障害はどんな特徴?
どんな困り感がある?
不安障害の対処法ってあるの?
周囲からフォローいただく(配慮点)があるとよいの?
一体何なんだ?ということについて触れていきたいと思います。
障害特性としての特徴(不安障害)
「不安障害」というのは、精神疾患の中で、不安を主症状とする疾患軍をまとめた名称です。
その中には、特徴的な不安症状を呈するものや、原因がトラウマ体験によるもの、体の病気や物質によるものなど
様々なものが含まれています。中でもパニック障害は、不安が典型的な形をとって現れている点で
不安障害を代表する疾患といえます。https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_panic.html
厚生労働省『知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス こころの健康や病気、支援やサービスに関するウェブサイト』
不安障害の中には
- パニック障害
- 恐怖症
- 強迫性障害
- 外傷後ストレス障害
- 急性ストレス障害、全般性不安障害
- 一般身体疾患による不安障害
- 物質誘発性不安障害
- 特定不能の不安障害
などに分類されます。
ひらくから就職された方含め、これまでかかわってきたところから
ひらく内で出てきた困り感についてご紹介させていただきます!
不安障害の困り感
①人前で話すことが怖い
人前で話すことに対して抵抗がある。
ひらくの中でも講座などでの発言を求められる場面での恐怖感が強く、難しい
②集団の中にいることに対して不安が強い
個人スペースで仕切られているブースであるとはいえ
周囲に多くの人がいる空間だと緊張が高まり、過度にストレスを感じてしまい、体調が悪くなる。
③公共交通機関を利用することに抵抗がある
電車や地下鉄を利用しての通所が難しいときがある。
混んでいる時などでは、なおさら出られなくなるのではないか
人の圧が強烈で乗れない。乗ってしまうと体調が悪くなってしまう。
④人の視線が気になり集中できない
見られていることに対して過度に不安を感じる。
人と目が合いそうになると、「目を逸らしたら相手に失礼ではないか」「相手を見ていたら失礼ではないか」ということを意識してしまう。
自分の進捗を見られると、良く思われていないのではないかと思い不安になり集中できない。
⑤予兆なく過呼吸になることがある
急に息が絶え絶えしくなり、過呼吸になってしまうことがある。
⑥不安をため込んでしまい、抱え込みすぎてしまう
こんなこと言ったら辞めさせられるのではないか
自分のこんな気持ちを伝えてはいけないのではないか
伝えたらいけないことなのではないだろうか
と考えてしまい、伝えられずにどんどんため込んでしまい、どんどん状況が良くはない方向へ…
⑦緊張してうまく話せない
面接や見学、実習の場など概ね緊張すると思われる場面において
普段とはチャンネルが切り替わり、著しく緊張してしまい
うまく伝えられないということがある。
就労場面での具体的な対処法と配慮点(不安障害)
①人前で話すことが怖い/②集団にいることに対して不安が強い
自己対処)
・あえて挑戦して、積み重ねることで慣れていく
いわゆる『慣れ』というやつです。
・話すことよりも話を聞くことから始める
話すことに大きな敷居があるのだとしたら
その場で発言はせず、話を聞くことから始めることで、その環境に慣れていくという方法。
ひらくの講座などでは聴講することも可能ですし、意外とその環境に慣れてくる、関係性が築けてくると意外と話せるというケースもあります。
・リラックスできる方法を持っておく
呼吸法や筋弛緩法、自律神経を整えることです。
またが、頭でがんがんかんがえても難しい場合があるので
身体を動かすことを取り入れてみるなどです。
人によってリラックスできるルーティーンも異なりますので
それを見つけていきながら進めていく。
事前に雑談などで個別で話をして抵抗を軽減してリラックスしてその現場にチャレンジしている方もいました。
配慮点)
・事前に周知する
話すことに対して緊張を感じやすいということを知ってもらうことで安心感を得られる場合があります。
集団が苦手であることを伝えることで、座席について、実際に作業する場合の環境についても触れることで働きやすくなることもあるのではないかと思います。
・対面での会話以外のコミュニケーション方法の提案
対面での話す場面に緊張や恐怖感、そして抵抗があるのだとすれば、他の手段だったらできることがあるのだとしたら提案してみてもよいでしょう。
また、苦手な分、得意なことで補完ができないか考えてみることでうまく対応いしてもらえるかもしれません。
・極力話す場面を避ける
なるべくそういった場面を避けることをお願いします。条件付きで自分でできる方法があるのだとしたらその点も併せてお伝えできるといいですよね。
③公共交通機関を利用することに抵抗がある
自己対処)
・原因を探る/どんなことが起因しているのか
抵抗があることに対しての理由や原因を探っていきます。
乗ること?降りる時?乗っている時?混んでいる時?何時頃?空いている時?
乗ってどのくらい?どんな気持ち?匂い?音?
人は不安なことが漠然とあるとより不安が増加するということがわかっています。完全にはつかめなくとも、何となくでも傾向がわかることで気持ちの中での安心につながるのではないでしょうか。
・公共交通機関での体調が悪くなったときの対処を考えておく
実際そうなったときの対処法を持っているということも安心につながります。
・五感のいずれかを緩和してみる
不安状態が続いたとき、聴覚、視覚、触覚、嗅覚、味覚のいずれかもしくは複数が過敏に働いている場合があります。
それのいずれかを緩和してみましょう。
たとえば、目をつぶる。携帯を見る。外の景色をみる(視覚の緩和)
落ち着くものを見ておく、マスクを二重にしてみる(嗅覚の緩和)
安心できるものをさわる。ポケットに手を突っ込む(触覚の緩和)
耳栓やイヤーマフをして音を聴かない(聴覚の緩和)
・通勤にかかるストレスを少しでも減らす
通勤ラッシュや帰宅ラッシュにかからない時間帯での利用や
リスクの低い状態から利用を進めていくことが必要
・いっそのこと公共交通機関を使わないという選択肢
いっそのこと使わなくても良ければ使わない徒歩圏内の事業所を見つけてみるということも一つです。
もしくは公共交通機関の乗り換えが必要のない距離での事業所を見つけるということも一つです。
配慮点)
・勤務時間帯の配慮
朝の通勤ラッシュや帰りの帰宅ラッシュなど混雑が予想される時間帯での勤務時間を避ける勤務体系(出社時間を遅らせる、貴社時間を早める、遅くする等)
リモートワークなどでのそもそものそれ自体をなくしていくという形でサポートをいただく方法。
④人の視線が気になり集中できない
自己対処)
・原因を探る/どんなことが起因しているのか
先述した通りです。
・自己認知を変える(認知行動療法)
「相手から見られて緊張から視線を逸らしてしまっても、誤解をされることはない」
と自身に言い聞かせ、自己認知を改善させて気持ちの安定につなげます。
・自立神経を整える
身体症状として出現しないようように自律神経のバランスを整えるようにしてみると軽減できることもあります。
ひらくの卒業生の中には、休憩時間ストレッチを行うなどをして自立神経を整える工夫をされている方もいました。
また、適切な食事、睡眠、アリナミ、いや軽運動を取り、健やかな生活リズムを整えることで、対処できることもあるのではないでしょうか。
配慮点)
・症状を説明し理解をもらう
事前に理解をしていただくことで、余計な誤解を招かないという安心感を作ることで、軽減につながります。
・休憩時間等のストレッチの許可
急にストレッチを始めると、周囲も驚きかねないので、理由を伝えてみることも良いのではないでしょうか。
・座席の配慮
四面楚歌にならない座席配置などの相談はできるかもしれません。
⑤予兆なく過呼吸になることがある
自己対処)
・そうなったときの安静にできる状況をまとめておく
そうなったときどういう状態だったらより落ち着いて対処できるか、考えておけるといいですよね。
一人で別室で休むことで落ち着かれる方、誰かがそばにいるだけでもより安心だ
頓服の使用など様々対処できることはあるのではないでしょうか。
配慮点)
・過呼吸の症状について説明をしておく
事前に説明があることで他の方にも腹積もりが出来ます。
その際の対応についてもご説明できると尚安心ですよね。
別室で休憩できるスペースの相談ができるなどその環境によってどういう対応を求めるかということも整理して相談ができるといいですよね。
⑥不安をため込んでしまい、抱え込みすぎてしまう
自己対処)
・相談していくことの成功事例を増やす
・ため込まず慣れるまで積み重ねる
・ため込んでいることを書き出す
※書いている内に長文になってしまい、書くのがつらくなってきました。ここはそのままその通りです!ひらくの中でもため込まないように発信する練習や伝える練習も個人に合わせて行っていたりします。
配慮点)
・定期面談の機会をいただく
定期的に面談を行っていただくことで、日々の不安の吸い取りや話してもよい環境を創り出すことでより適応しやすくなります。
障害者雇用を進めている企業様では、よくそういったケアも行っていることが多いです。またひらくのような就労移行支援の定着支援の中で定期的に面談等の機会を持ってサポートしていくことが多いです。
⑦緊張してうまく話せない
自己対処)
・緊張していることを自覚する(メタ認知)
自分が認知していることを客観的に把握し、制御すること
緊張している自分を、緊張しているなと認知することです。
そうすることによって客観的に自分をみることができて、冷静になれる場合もあります。
面接場面や実習場面、初めての場面に緊張が多くなる方多いですよね。
うまく話せないからいけない、別に緊張しているから悪いわけではありません。あまり重くその場を抱え込みすぎないように状況を把握してみてください。
・積み重ねる
努力は裏切らない。積み重ねることである程度の慣れは出てくるはずです‼
配慮点)
・慣れるまでは緊張しやすい傾向があることを伝える
前置きが一つあるだけで、相手も腹積もりが出来ますし、慣れてからは一定のパフォーマンスがしっかり発揮できることを伝えていきましょう。
自分にとってのパフォーマンスを発揮する為の安心材料を一つでも作っておきましょう。ちょっと配慮点からは逸れているような気がしますが…
まとめ
それぞれの症状別で不安障害についての特性や自己対処、配慮点について触れていきましたが、
あくまでこれは一例なので、自分にとっての方法や対策を考える一助にしていただければなと思います。
結論を最後に持ってきましたtが、
これじゃ働けないんじゃないかなと思っている方、
働けます!
実際にひらくから不安障害で就職されている方数そこそこいらっしゃいます。
適切に向き合い、考えていくことで付き合っていくことができます。
一人では考えるのは大変な方も、一緒に経験とノウハウをもって特性との付き合い方を考えていきましょう!
少しでもヒントになれば嬉しいです!
私サムガリも鼻炎持ちでこの記事を作成しながら、両の鼻をティッシュで突っ込んでいる状況でしたが、この鼻炎との付き合い方も手慣れたものです←
途中で息切れしている箇所はありましてすみません。
いつでもひらくにご連絡、ご相談お待ちしております。
はじめの一歩をひらくまで(‘◇’)ゞ
ここまで読んでいただいてありがとうございました!
それでは、また!
この記事を書いたのは
支援員:サムガリ
就労・自立支援ひらく
〒980-0801
宮城県仙台市青葉区木町通2-1-18
ノースコアビル6F
☎022-725-7224