「忘れやすい」という特性について就労継続へのアプローチ方法をご紹介いたします。
- 指示されたことを忘れる
- やろうと思ったことを忘れる
- 忘れてしまうことで困った経験がある
- 傘を電車に置き忘れてしまった
こんな経験ないでしょうか。
「忘れる」ということは人間である以上
人が生きていく上で必要だからこそ備わっている機能であると考えます。
忘れられるから、疲れない
忘れられるから、覚えられる
忘れられるから、感動ができる
ネガティブな出来事から自分を守る働きをするというメリットがあります。
しかしして、時には支障や、困る場面も出てくると思います。
現在働いている方
今後働こうと考えているが、困っている
ぜひ読んでいただきたいです!
障害特性としての特徴~忘れてしまいやすい~
・ADHD(注意欠陥・多動性障害)
就労・自立支援ひらくでは、ADHDのある方が多く在籍されていました。
自身の特性を聞くと、勿論それぞれニュアンスや捉え方など
詳細なところでは個々で異なりますが
「やるべきことや、すべきことを忘れてしまう」ことに困り感を抱えている方が多かったように思います。
たとえば・・・
- 〇時までに作成した資料を提出しようとしていたけれど、別の作業を始めたら忘れてしまった。
- 忘れ物やなくしものが多い
- 同じミスを繰り返してしまう
- 遅刻が多い
などなど具体例をあげましたが、脳の特性であるワーキングメモリーに原因があるといわれているそうです。
ADHDとは
・高次脳機能障害
- 繰り返し説明されても、同じことを何度も尋ねてしまう。
- 新しいことを覚えるのに時間がかかる
などが挙げられるのではないかと思います。
高次脳機能障害とは
上記の内容も
個人の元々の気質的なものもある可能性はありますが、
障害による特性として記憶すること、それを保持することが得意ではないことで
困ってしまうのではないかなぁと思います。
勿論、程度の差はあれ、よく忘れ物をしてしまうとかは、
どんな人でも起こりうることですし、
サムガリは傘やボールペン、イヤーマフなどを高確率で紛失してしまうことが悩みでもあります。。。。
発達障害(ADHD)と高次脳機能障害の特性を挙げさせていただきましたが
違いとは?という方へ以下ご説明になります。
発達障害者支援法での発達障害の定義は「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能の障害であって、その症状が通常低年齢において発現するもの」となっています。
一方、厚生労働省の定義による高次脳機能障害は、脳が損傷した原因となる事故や病気の事実と、脳の損傷が確認されなくてはなりません。そして、脳の損傷により、日常生活や社会生活への適応に問題が生じることです。
両障害の違いは、発達障害は原因を規定せず、幼少期に発症するという症状重視であるのに対し、高次脳機能障害は発症原因を明確に規定していることです。
忘れやすいことで困ることは~就労の場面~
①指示されている内容を忘れてしまう
指示を受けたことに関して仕事は進めていきます。
そもそも忘れてしまうことで業務の遂行に支障をきたす場合があります。
要因としては
・その時は覚えていたが時間が経つにつれて忘れてしまった
・別のことに気を取られてしまい、完全に抜け落ちてしまった
ことが挙げられるでしょうか。
そうなってくると、上司の視点になると、仕事を任せづらくなってきますね。
お互いが負のスパイラルに入りかねません。
②約束をなかなか守れない
例えば、遅刻が多かったり、日々のルーティーンの中で決められている工程をこなすなかで、その時は守ろうとしますが、抜け落ちてしまい決まりや約束事を守れないという状況にもつながることもあります。
要因としては
・守らないというスタンスではないが、記憶から抜け落ちてしまい守っていないように見られてしまう
ことでしょうか。
③業務の習得に時間がかかる
新しいことを学んで覚えていくことに対して、時間がかかり、何度も繰り返して覚えていかないといけないことも…
他の方と同じように聞いて学ぶだけだと、どうしても記憶を保持して覚えるということに苦手意識が生じて、やりづらくなってくることも…
④同じことを繰り返しミスしてしまう
①~③に共通しているところもありますが
同じことを反復して間違えてしまい、なかなか先へ進むことに時間がかかってしまうことも。。。
「忘れやすいこと」の就労場面での自己対処法
どのような状況で忘れやすいかを思い返してみる、そして分析してみて
どのような対策を講じればよいか考えてみることが大切です。
・忘れてもいいようにツールを使用すること
・負担に感じないようにできる限り習慣化をはかる
上記2点が大きな方向性として留意してみてください!
①指示されている内容を忘れてしまう
対処法)
・指示の際、メモを取るようにする
・指示の際、口頭でも確認を取るようにする
・リマインドを設定しておく
・ToDoリストを作成する
上記3点を習慣化することでそんなに考えずともできるようになるはずです!!!!
②約束をなかなか守れない
A.できるけど忘れてしまう
B.できないor困難な為、遂行が難しい
上記2パターンがあると思いますが、
Aは忘れない為の対処として①で挙げた対処法を実践してみることをオススメします。
Bは遂行が難しい状況なので細分化して対処することをオススメします。
対処法)
・「いつまで」にやらなければならないことかを把握する
・かかる時間の見込みを計算し、逆算して取り掛かる
・約束を交わした人を思い浮かべて、関わっている人が自分だけではないと意識する
・日常的にリマインドできる状況を作る(携帯のアプリ、メモ、アラーム、スケジュール帳)
・約束を守らないことでどんな未来になるか考える⇒その未来を具体的にイメージする⇒その上で約束を守る行動をとること解消されていくイメージを体感する
・周囲の方へ進め方を相談する
・約束を守れない場合でも事前にその旨を相手に伝える
③業務の習得に時間がかかる
対処法)
・できる人にコツを伺う
・繰り返し反復する
・覚えられていないところをメモに取り、セルフマニュアルを作成していく
・わからない時に確認する資料を作っておく。(忘れても大丈夫なように)
・覚えるスピードを人と比較しない
・仕事の目的を理解するようにする(本質をとらえたうえで取り組むと覚え方も深まりやすく記憶の定着に繋がる)
④同じことを繰り返しミスしてしまう
対処法)
・自分の起こしやすい失敗のパターンを知る
・ミスを想定にいれ、確認を作業の工程の中に組み込む
・確認方法を見直す
・正確性に重点を置き、焦らない意識付け
・作業環境を集中できる環境にする
・作業がマルチタスクにならないようにする
ひらくでできる「忘れやすい」を対策する訓練方法
障害特性によるものだとすると、自分だけで対処するにも
困難な場合があります。
働く職場に対してどのような配慮があるとそれが解消されるのか
働きやすくなるのか
についても考えることが必要です。
一人では難しいこともひらくのスタッフと相談を重ねながら検討していくことができます。
後は考えるだけではなく、実際に経験してみないことには修正もできません。
実践的な事務作業を実施することで、働く職場においての基本的な進め方や
苦手とすることへの自己対処の実践をすることができます。
加えて事務スキルそのものを高めていくことができます。
気軽に自己認知を深める講座も実施しております。
まとめ
誰しもが「忘れてしまう」ことあると思います。
どんな時に忘れてしまうことが多いのか
こういう時は忘れずにできていることが多いのか
これまでの経験から見えてくるものもあれば
これからやっていく経験の中でさらに更新、発見、気付いていけることも多いはずです。
向き合うことで疲れてしまうこともあるかもしれません。
一人ではありません、周囲サポートしてくれる方が必ずいます。
今回ご紹介したのは、あくまでこれは一例なので、自分にとっての方法や対策を考える一助にしていただければなと思います。
ここまで読んでいただいてありがとうございました!
「継続して働ける為の心と体作り」を生活支援として行い、
「ひらくに出会えて人生が変わりました」と言って貰える支援を
一生懸命行いますので、宜しくお願い致します(´ω`*)//
それでは、また!!!!
この記事を書いたのは
支援員:サムガリ
就労・自立支援ひらく
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