2021年1月に就職が決まったメンバー『とりにく』さんの就職体験記になります(‘◇’)ゞ
就職をしようと思った理由
うつ病を患い、1年弱休職期間を経た後、前職を退職したのですが
療養期間中にいただいていた傷病手当金と任意保険金が
休職1年半時点で支給満了となってしまいました。
当時は宮城県外の実家に身を寄せており、病気でうまく体も頭も動かない中
生活を支えてくれた両親をふと見た時に
「歳を取ったんだな」と感じると同時に
「父も母もずっと生きていてくれるわけではない」ということに気付いたのが
「就職して自立したい」と強く思ったきっかけでした。
そしてそういう風に気付き、考えられるようになっていたことも、病状の回復を
感じさせてくれ、背中を押されたように今となっては思います。
就労移行支援ひらくを利用しようと思った理由
社会復帰を目指しはじめて最初の頃は
宮城県外の地元での社会復帰を目指していました。
ですが、新型コロナウイルスの影響で地元の求人数が激減し
動くに動けない状況になってしまいました。
そんな状況を何とかしたいと様々なところへ相談に行ったのですが、
地元で通院していた病院の医者、ケースワーカー、近所の福祉事業所
ハローワーク等からの支援は非常に乏しくて、時には人格否定と取れる発言をされたこともありました。
社会復帰を目指せば目指すほどどんどん精神的に孤独になっていき
半ば社会復帰をあきらめかけていた時、唯一親身に相談に乗ってくれていた
地元の若者サポートセンターの支援員さんが
「正直地元(宮城県外)は障がい者に優しくない。そもそも人口比率的に障がい者事業が成り立たないからノウハウもない。親の理解も得られて蓄えもあるのなら都市部に出るべきだ」とアドバイスをしてくださいました。
その言葉を受けて、当時東京ほどコロナの影響が顕著ではなかった
仙台の就労移行支援事業所に見学に行ってみようと思い立ち
ホテルに泊まりながら数日かけて3カ所ほど見学させていただきました。
その中でも無職で病気療養中の状態でも住居の斡旋をしていただけて
パソコンスキル訓練内容が充実しており、
何より利用が決まったわけでもないのに親身になって引っ越しの相談にも
乗っていただけるなど、事業所の雰囲気が一番いいなと感じたことから
就労・自立支援ひらくの利用を決めました。
職種や会社を選んだ理由
はじめは、
「最終的に在宅ワークを目指したいので、プログラミングスキルを学んでエンジニア職にチャレンジしたい」
「次点で事務職も考えたい」という希望で就職に向けてWebエンジニアの訓練を開始しました。
しかしながら訓練と並行して支援員の方と障害特性について掘り下げて考えていくうちに、「自分はマルチタスクが苦手で、折衝業務や終わりの見えにくい業務はストレスフルだ」ということに気付き
「プロジェクトが長期的かつマルチタスク、そして納期が厳しくなりがちなエンジニア職はあまり向いていない」
ということに気付いていきました。
それからは庶務業務、事務業務中心に求人を探していき
ハローワークの専門援助部門の方に過去の求人の中で良いと思った物を見せながら「こんな求人に応募したいと思っているんですが・・・」と相談したところ
求人の紹介を受け、見学の打診をしていただきました。
2社ともハローワークの方同行のもと見学をさせていただき、
業務内容が不明瞭な点に不安を覚えつつ社風に惹かれて内1社へ応募を決めました。
「内定をもらう」というよりかは「自分が無理せず働ける場所かどうか見極める」ことを第一に考え
「できないこと・体調面でまだ不安が残っていること」をしっかり伝え
その上で「今までの経験から無理なくできる仕事は何か」を
伝えるスタンスで面接に臨みました。
このようにすべてお伝えした上でご縁をいただくことができたため
また、面接でお会いした上長の方がとても好感を持てる方だったことから
「とりあえずやってみよう」という気持ちになり入社を決めました。
就労・自立支援ひらくでの訓練内容
初めはWebデザインのカリキュラムを進めていました(HTML・CSSを用いた自作サイト作成)。
並行して職場見学や自己分析、面接対策を行っていく中で
「プログラミングは面白くて好きだけれど、エンジニアとして働くことを想像した時、自分の体調面と適性を顧みるときっとまた無理をして体調を崩すだろうな」
と次第に考えるようになりました。
それからは事務系訓練にシフトチェンジし、テキストを使ってExcelVBAを勉強したり、
事務作業講座・コミュニケーション講座・電話応対訓練に参加したり
何より生活リズムを整えることに勤めていました。
就労・自立支援ひらくでの思い出
予想以上に早く就職が決まった為、在籍期間は短かったのですが、
「もう少し居たかったな」と思うくらい私にとってとても居心地の良い場所でした。
病気療養中に初めての一人暮らしを決行するという、
結構無謀な賭けに出た私は案の定引っ越し後1ヵ月ぐらいひどいホームシックに陥っていました。
「家に一人でいるくらいなら・・・」と参加した土曜のイベントがすごく気晴らしになったのを覚えています。
飲食イベントやボードゲームイベントなどにも参加し、利用者の方々と平日の訓練ではできないようなライトな交流ができて、とても楽しかったです。
ひらくの利用者間の交流関係は良い意味でさっぱりとしており
深く人と関わることが苦手な私でも気負わないコミュニケーションができたのがとてもよかったと思っています。
就職活動を行う中で大変だったこと
「自分の困り感」と「ほしい配慮」を言語化することがとても大変でした。
障害者枠での就職を希望していた私は、自分の障害特性や企業様に頂きたい配慮などを面接で説明する必要があったのですが、
あらためて「どのような配慮を貰えれば業務遂行できますか?」と聞かれた時に
まったく言語化することができなかったのです。
「これが苦手です」
「体調が悪いとこうなります」
は比較的浮かんでくるのですが、具体的にどういった場面でどう困るのか?では
そこに対してどのような配慮が必要なのか?
Aという業務の遂行が困難だとすると
自分はどういった業務でなら会社に貢献することができるのか?
伝えなさすぎると長期的な就労は不可能になってしまいますし、
伝えすぎると「結局何もできない人」という印象を与えてしまいます。
相手にわかりやすく伝わるような言語化のためにはたくさん自己分析を行わなければならず
「できることとできないこと」の境界線を見つけるのがすごく難しかったです。
これに関しては働いてからもずっと悩むんだろうなと思っています。
就職活動をしている方へのアドバイス
自分もすごく苦手なのですが
支援員の方に「自己開示」をしていくことがすごく大切だなと、事業所の通所と就職活動をして実感しました。
というのも、自分の中での「困り感」や「うまく説明できないこと」を支援員の方と共有すればするほど「それってこういうことなんじゃない?」という
指摘をしていただけて、それが自己分析や仕事選びの軸を見つけることに繋がって…気が付いたら就職が決まっていた、といった流れが自然とできていったからです。
こういった気付きは一人で活動していると中々機会がないと思うので
焦らずじっくり納得がいくまでは支援員の方とバチバチに話し合って
自分に合った就労先と出会っていってほしいなと思います。
就労・自立支援ひらくの詳しい就職実績はこちらから
この記事を書いたのは
ひらくのメンバー とりにく さん 校正校閲:サムガリ
就労・自立支援ひらく
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